医療の質指標
病院の医療の質指標公開に当たって
病院の特徴を知りたい
日本では、患者さんは受診を希望する病院を自由に選ぶことができます。患者さんが望む病院があるかどうか、近隣の病院にはどのような特徴があるのかを知ることができれば、患者さんにとっては大変有益なことです。同じように、病院に勤めようと思う人にとっても、勤めたい病院の特徴を知ることや、近隣の病院に満足できる病院があるかどうかを調べることができれば、大変便利です。
質指標とは
阪南中央病院では、提供する医療の質が向上しているかどうか、働くものの諸条件が改善しているかどうかなどを調べるために、これまで色々な調査や活動をしてきました。2012年3月にTQM委員会(Total Quality Management:総合的質管理)が発足して以来、これらの調査や活動の情報を、病院全体の総合的な質の向上を目指すために集約し、提案や指導が行えるように整理してきました。質指標は、病院組織の構造(ストラクチャー)や運営過程(プロセス)、最終的な成果や結果(アウトカム)に分類することができ、これらを良い医療であるかどうか、経済性や効率性から考えて妥当かどうか、患者満足度の視点から考えてどうか、職員にとって満足度・やりがい・労働条件等の視点から考えてどうか、が評価できるようにする質指標です。この質指標を決めるに当たって、関連部署と話し合い、当院に適した質指標やその定義・計算式を決めつつあります。TQM委員会の活動が知れるにつれて、また質指標の決定や評価に関する関連部署との話し合いによって、職員の質指標に対する関心や質指標の向上(医療内容の向上など)に向けた意欲が高まりつつあります。
阪南中央病院の3本柱
当院は(1)地域周産期母子医療センターとしての役割と(2)急性期医療および(3)地域包括ケア医療を3本柱とする地域密着型の病院です。以下にお示しする当院の医療の質指標によって当院の特徴をよりよくご理解ください。質指標は、より的確に質を表現するものへ、また全国の医療機関との比較ができるように、今後も改善を重ねていきます。
質指標公開
2025年をピークとする超高齢社会に向かっている日本社会の医療界において、医療制度の急激な変更が計画されています。計画の中で、個々の病院の、地域での役割分担や診療内容の特徴が、受診者に分かりやすくすることが求められています。その一環として、(1)年令階級別退院患者数、(2)診療科別症例数トップ3、(3)初発の5大癌のUICC病気分類別ならびに再発患者数など、7項目の「病院指標の作成と公開」が提唱されました。このことを契機として、当院の医療の質指標をホームページ上で公開することにしました。公開することにより、当院の地域での役割をよりよく知っていただけるとともに、多くの医療機関の間での比較により互いに励ましあい向上できるようになると考えます。そして、このことが患者さんや職員の満足度向上に結び付けることができればと考えます。
TQM委員会委員長 佐藤健二